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風に消えてく歌
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冬流
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非公開
趣味:
愛するバンドのライブへ行く(生きがい)/着物を着て出かける/愛猫&愛犬
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BLやBL風味を匂わす詩風や小説風なものや その時の気分などを書きなぐっています。
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稲光


静かな夜 突然轟音が響いた
窓ガラスを震わせる音に ヒロシが目を覚ます
上半身を起こして窓の外に目をやると ネオンに煙る街の空を
光の帯が走っているのが見えた
程なくして大粒の雨粒が窓ガラスを叩き始めた
「どないしたん?」
隣で眠っていたジュンが眠そうな目を擦りながら尋ねてくる
「……別に」
ヒロシはまた横になる
しかし 雷の音が響く度に小さく身を震わせた
「なんや 恐いんか」
ジュンは意地悪に笑いながらその顔を覗き込んだ
「うるさい」
ヒロシは寝返りを打って ジュンに背を向けた
「ほーん…雷が恐いんかぁ」
「トラウマやねん!悪いか!」
ヒロシが勢い良く体を起こし ジュンを睨みつけた
「トラウマ?」
「……ガキの頃庭に雷が落ちてん 体中がビリビリしたんや」
「感電したん?!」
「気ぃ失って… でも家族誰もおらんかったし 気がついてもまだ
誰も家におらんかって…」
「……ヒロシ」
ジュンは両手をヒロシの体に回して抱きしめた
「ここには雷は落ちて来んし 俺も居るよ」
背中に回されたジュンの手がポンポンと軽くさするように叩いた
ヒロシの体から力が抜けていく
「大丈夫 明日早く起きて遊びに行くんやろ?寝ような」
ジュンはヒロシを抱いたままベッドに横になる
「……ジュン」
ヒロシは自分も腕をジュンに回す
ジュンがヒロシの額に軽くキスをした
「…なんか 欲情してきた」
「アホ!離せっ」
ヒロシは思い切りジュンの体を押し離そうとしたがジュンはヒロシ
を離そうとしない
「ええやろ 一発やってから寝ようやv」
「うっさい!」
ヒロシはジュンをベッドから蹴落とした
「酷いわ ヒロシくんー」
「出てけっ」
「1人で大丈夫なん?」
タイミング良く雷の音がする
ビクリとヒロシの肩が震えた
ジュンを見るヒロシの目が悔しそうな涙目になってくる
「ん?」
ジュンはニカッと笑って両手を広げた
「…変なことしたら外に追い出すからな」
「つれないわ~」
言いながらもジュンは元居た位置に戻り ヒロシを抱きしめて
横になった

最後の夏 最後の優しい記憶

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