■ 雪の羽 鋼の翼－言の葉－

雪の羽　鋼の翼

空から舞い落ちる羽根　地上に融けて消えるのを見てた
手の平に受け取れば　熱を感じる間もなく融けていく

君の居ない2度目の冬を迎え　僕は思い出の丘に登る
君の思い出を探して歩けば　君の幻が僕を導いて
鳥かごに鋼の翼を入れて　僕は君の姿を探す
じっと見上げる灰色の空から　舞い落ちるのは純白の欠片
君が好きだと言った　空の羽根

歪む視界に君の微笑み　空の歌が聞こえる気がしたけど
歪み始めたのは僕の心　君の居ない世界　君の思い出

手を伸ばして掴みかけた翼は　握り締めた手をすり抜けて
歪みに軋んで悲鳴を上げた心　叫び声を上げて冷たい鋼を握る
僕の好きな赤い色を眺めて居たら　君の泣き出しそうな顔が目を伏せた
空っぽの鳥かごは壊れて　空っぽになった心に届かぬ涙

僕は何が欲しかったのだろう
君は僕に何を残したのだろう
僕は君に何をしてやれただろう
君は僕を・・・・・


視界は歪む　君の後姿　手を伸ばして縋る僕
君は翼を広げ　灰色の空に融けてゆく

さようならの言葉は白に融けて　白を汚す赤い僕
熱を持たない鋼を抱いて　君を求めて彷徨うだけ

熱い弾丸が僕を貫いても　僕は痛みを覚えない
ただ　歪んでいく視界と　歪んで軋む僕の心の悲鳴が聞こえて
君の融けた灰色の空を見上げていた




そっと　訪れる静かな闇
君の声が聞こえた気がした