■ 空き缶－BL－

空き缶

今日は河原まで散歩をしてみたよ
河原を歩いていると　色々なものが転がっている事に気づいた
誰かが投げ捨てた空き缶　ペットボトル　菓子袋　コンビニ袋…
光るものを見つけて傍に行って覗いてみた
石と石の間に　キラキラ光る石があった
白いのに　黒い石
そんな表現の仕方をしたら　きっと君は笑うだろうね
わけわかんないよ　なんて言って
綺麗なんだよ　白いのに黒い石
僕の目が　普通　ってヤツだったら
この石は違う風に見えてるんだろうなぁ
僕の目は微妙な色の見分けがつかないから
僕が　綺麗　と思っても
君にはわからないのだろうね

もう　そんな事もできないけれど

遠くから見送るよ
君が（おそらく）白い煙に乗って　空へ飛んでいくのを
僕には　普通　がわからない
白い煙も　白く見えない
君が　真っ白な翼で空を飛んでも
僕には　黒い翼で飛ぶように見えるのかな？

僕には　黒　がわかればそれで良い
僕の背には　黒く　醜い翼がある
それでいつでも僕は空を飛べる
君に会いに行ける

僕の視界が　闇に包まれていく
僕はきっと　君と同じ所へは行けないのだろう

それでも
この　黒く醜い翼がある限り
君を探して　何処までも行くから

この翼だけは　誰にも渡さない
だって　僕のたったひとつの　希望

僕の体は　河原に捨てられた　空き缶